例年なら、秋の取り入れの終わったこの11月は、所属する合唱団の発表のステージはありますが、一年で最も気候の面でも気分においても落ち着いた月になります。
還暦前後から、弱小ミリオタになりまして、(もっとも子どもの頃から零戦、戦車、戦艦などのプラモデルは好きでよく作ってはいましたが)自衛隊の公開イベントに行くようになりました。
陸自では駐屯地祭。福知山(普通科連隊)、姫路(特科)、青野ヶ原(高射)、今津(戦車大隊)それに伊丹にある中部方面隊ぐらいでしょうか。
海自では、護衛艦の一般公開で「いせ」(姫路港)「きりしま」(神戸港)の艦内に入ったことがありました。
空自では、小松基地、岐阜基地と2回泊まりがけで出かけました。
さて、音楽との関連で言いますと、この自衛隊の音楽隊ですが、初めて聴いたのはいつ頃だったでしょうか。
もうすぐ取り壊しになる隣の西脇市の市民会館だと思うのですが・・・。
なにせ、今から50年前に田舎で市民会館のあるところは、昔播州織りで景気の良かった西脇ぐらいでしたから、たぶん間違いないでしょう。
県警音楽隊も中学の頃聴いて憧れてましたね。中学の一年後輩でほんとうに音楽隊に(若い頃ですが)いた人もありました。
今回取り上げた陸自の公式(?)行進曲である「大空」(なんで陸やのに「大空」?)は、駐屯地祭の初めに、音楽隊(普通は師団所属の第○音楽隊で20数名でしょうか)この曲を演奏しながら入場してきます。(その後「陸軍分列行進曲」と交互に演奏)
大変、明るく軽やかな曲調で、その点は「陸軍分列行進曲」と全く対照的ですね。
この曲は、陸上自衛隊中央音楽隊初代隊長であった須摩洋朔(明治440年~平成12年・1907~2000年、元陸軍軍楽大尉、元NKH交響楽団)が1951年(昭和26年)に作曲したものです。
昭和30年頃には全日本吹奏楽コンクールの課題曲にもなったとか。
(福知山駐屯地での第3音楽隊)
(山の中腹にあってロケーション抜群!)
自衛隊では、陸海空それぞれに制式または公式行進曲というのがあるようです。
陸自はこの「大空」が制式。海自は言わずと知れたあの行進曲「軍艦」(「儀礼曲」としているサイトもありました)。
そして、空自は「空の精鋭」(矢部政男、元空自音楽隊のフルート奏者)が公式行進曲となっています。
いま、その作曲年次を比べてみると
「軍艦」 明治33年(1900)
「大空」 昭和26年(1951)
「空の精鋭」 平成6年(1994)
ということで、これは先入観かもしれませんが、曲のスタイル、曲調、あるいは醸し出す雰囲気ともでもいいましょうか、それぞれの時代を反映しているように感じます。
また、それぞれの時代の作曲の流行、作曲技法のレベルもあったことでしょう。
「空の精鋭」は、曲の感じが、昔よくあった全日本吹奏楽コンクールの課題曲のマーチとどことなく似ているなと思っていたら、作曲者の矢部さんは、その前年1993年の課題曲を書いた方でもありました。
3曲を聞き比べての正直な感想ですが、この際、海自の「軍艦」は恐れ多いので言及しませんが、陸自のほうは、どうでしょうか、(この曲の素晴らしさを否定するものではありませんが)ぼちぼち新しいのを・・・と思うのは私だけでしょうか?
※陸自の関係者が閲覧されていましたら、ごめんなさい!!
福知山駐屯地祭では、例年海自の舞鶴音楽隊も観閲行進(もちろん「軍艦」の演奏です)のみですが登場。
地方の駐屯地祭で、陸海の二つの音楽隊を見ることが出来ます!!