思い出の中のあの歌この曲

メロディーとともによみがえるあの頃の・・・

♪ 「旅立ちの日に」 卒業式ソングの今

www.bing.com

(東京混声合唱団)

f:id:sf63fs:20210305172651j:plain

 3月11日が近づいてきて、新聞、テレビ、ラジオなどでも東日本大震災の話題が多く取り上げられるようになってきたように感じます。特に、今年は10年という大きな節目でもあって、注目の度合いも高いようです。
 10年前のその時は、校区内の中学校の卒業式に来賓(校長代理)で出席し、10時から2時間半ほどの長い(失礼!)式が終わって帰校し、遅い昼食の後、ほっとしている時間帯でした。
 兵庫県の内陸部にある当地方でも、震度2を計測したようで、職員室の蛍光灯がしばらく横に揺れていたことをはっきりと覚えています。

 そういうわけで「思い出の中のあの歌」となると、「群青」(有名な合唱曲ではなく、若い人の間で流行っている曲もあるようですが)旅立ちの日にの二曲がどうしても思い出されてきます。
 「群青」のほうは、迂闊にも数年前に近隣の町の混声合唱団が歌っているのを聴いたのが初めてでした。YouTubeでいろんな団体のを聴き比べたりはしていますが、今回はパスしておきます。

f:id:sf63fs:20210305173235j:plain

(パナムジカホームページ https://www.panamusica.co.jp/ja/appeal/gunjo/ 

 前述のように、校区内の中学校の卒業式には、50歳前後から毎年のように来賓で出席していました。公立高校入試の2日前に行われることが多いのですが、市内・郡内で同じ日に実施されるために、校長、教頭以下、部長クラスまで手分けして出席するのが通例でした。
 各中学校のぼんやりとした印象は残っていても、どこの学校でどんな歌を合唱していたかまでは思い出せませんが、この旅立ちの日にが一番多かったのは間違いないと思います。

作詞:小嶋登
作曲:坂本浩美

白い光の中に 山並みは萌えて
はるかな空の果てまでも 君は飛び立つ
限りなく青い空に 心ふるわせ
自由をかける鳥よ 振り返ることもせず

勇気を翼に込めて 希望の風に乗り
この広い大空に 夢を託して

懐かしい友の声 ふとよみがえる
意味もないいさかいに 泣いたあの時
心通った嬉しさに 抱き合った日よ
みんな過ぎたけれど 思い出強くだいて

勇気を翼に込めて 希望の風に乗り
この広い大空に 夢を託して

今 別れの時 飛び立とう 未来信じて
はずむ 若い力 信じて
この広い この広い 大空に

今 別れの時 飛び立とう 未来信じて
はずむ 若い力 信じて
この広い この広い 大空に

f:id:sf63fs:20210305174201j:plain

 

 『旅立ちの日に』は、1991年に埼玉県の秩父市立影森中学校の教員によって作られた合唱曲である。作詞は当時の校長であった小嶋登、作曲は音楽教諭の坂本浩美(現・高橋浩美)による。編曲は、松井孝夫他、複数の作曲家によるものがある。近年では卒業ソングの定番として認知され、原曲の変ロ長調の他にハ長調などの様々な調で歌われている。また、混声三部版、混声四部版、女声三部版、同声二部版と複数のアレンジが存在する。

Wikipedia

  作曲されてから、もう30年にもなるのですね。 今や、「卒業式ソング」では定番中の定番と言ってもいいことでしょう。

 

 2011年に四国新聞社が香川県の300の小中高校で行った調査では、約三分の一の96校が「旅立ちの日に」で、二位の「YELL」(いきものがかり)18校を大きく引き離している。このほか5校以上が歌う予定として挙げたのは、「大地讃頌」「ありがとう」(いきものがかり)、「栄光の架橋」(ゆず)、「最後のチャイム」(山本恵三子作詞、若松歓作曲)、「大切なもの」(山崎朋子作詞作曲)、「ベストフレンド」(kiroro)、「手紙~拝啓 十五の君へ~」(アンジェラ・アキ)、「巣立ちの歌」、「道」(EXILE)(中略)一校だけが選んだものが三十二曲あり、オリジナルソングを歌う学校も十一校あった。特定の曲に集中する反面、実に多様な歌が歌われているのである。四国新聞によれば、「子ども主体」の選曲で、毎年固定はせず、子どもの意見を反映して決めている学校が多く、最近のヒット曲が目立つという。

有本真紀『卒業式の歴史学講談社メチエ、2013年より第6章「卒業式歌の現在」より

 

仰げば尊し」は歌わない “卒業ソング”今どきの人気番付

旅立ちの日に 18人
大地讃頌 7人
・証(flumpool) 6人
・道(EXILE) 3人
・群青 3人
・YELL(いきものがかり) 2人
・遥か(GReeeeN) 2人
・大空賛歌 1人
 ・道(GReeeeN) 1人
栄光の架橋(ゆず) 1人
・3月9日(レミオロメン) 1人
・最後の一歩最初の一歩 1人
・BELIEVE(NHK「生きもの地球紀行」テーマ曲) 1人
・ともだちはいいもんだ 1人
・明日の空へ 1人
・桜ノ雨(初音ミク) 1人
・COSMOS(アクアマリン) 1人
・手紙~拝啓 十五の君へ~(アンジェラ・アキ) 1人

 

2019/03/17  「日刊ゲンダイDijital」

https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/249801/3

 記事から、32人がどういう人たちなのか読み取れませんでしたが、おそらく小中学生の保護者ではないかと思われます。私たちから見ると、子の世代です。 はっきりと知っていると言えるのは4曲(太字)だけでした。

 

■ 合唱指導は大変!?

 独唱でなら、そんなに難しい歌ではないでしょうが、これを学年全部でとなると、相手は生意気盛りの中3ですから、とても音楽の先生一人の手には負えないことでしょう。

 YouTubeにはパート毎の練習用の動画がありますが、これもその大変さを表しているのではないでしょうか。

 2,3年前に私たちの混声合唱団でも歌いましたが、なにせ半ばシルバーコーラスなものですから、例えば下のようなリズムになると、なかなか揃いません。(私は一応、背楽譜通りに歌いましたが😀)指揮者から何度も指摘されたことを覚えています。 

f:id:sf63fs:20210305174954j:plain

  既に高校の卒業式は終わっていますが、新聞報道では式において歌唱はとりやめ、CDを流したというところも、結構あったようです。

 これからの小中学校でも、おそらく似たような実施形態になるのではないでしょうか。当事者にとっては、一生に一度のことですから、「こういう状況ではやむを得ない」とはいうものの、本当に残念なことです。