1
村の渡しの船頭さんは
今年六十のお爺さん
年を取つてもお舟を漕ぐときは
元気いっぱい艪がしなる
それ ぎっちら ぎっちら ぎっちらこ
2
雨の降る日も 岸から岸へ
ぬれて舟漕ぐ お爺さん
けさもかわいい 子馬を二匹
向こう牧場へ 乗せてった
それ ぎっちら ぎっちら ぎっちらこ
3
川はきらきら さざ波小波
渡すにこにこ お爺さん
みんなにこにこ ゆれゆれ渡る
どうもご苦労さんと いって渡る
それ ぎっちら ぎっちら ぎっちらこ
■ 歌わなかった幼少時代
定年退職後、25年ぶりに地元の合唱団に属した私。
若い頃の13年間は、勤務地の合唱団に所属しながら、勤務校の合唱部の指導?もしていました《笑》
また、中高時代には吹奏楽部に所属と、田舎者ながら結構音楽に親しんできた人生ですが、村のお寺の経営する保育園に通っていたころ(昭和34~36年、1959~1961)などは、母親に言われても、まず歌うことはなかったようです。
要は、小学校中学年ぐらいまでは、俗にいう音痴で、人に聴かれるのが嫌だったのです。
そんな私でしたが、歌を聴くのは嫌いではありませんでした。
このブログを始めようと思った時も、たくさんの曲が浮かびましたが、この「船頭さん」もその一つでした。
■ ♪今年六十のお爺さん?
やはり気になるのがこのフレーズですよね。
私は60で定年退職して、再任用は希望しませんでした。(非常勤で2年勤めましたが)今や世間のサラリーマンは、65まで勤めるのが普通になっています。
いったい、この歌はいつ頃作られたのかと調べますと・・・
船頭さん(せんどうさん)は、1941年7月に発表された童謡である。戦時歌謡であったが、戦後歌詞の一部が改作され、一般向きの童謡として親しまれている。
概要
作詞は武内俊子、作曲は河村光陽。
太平洋戦争に突入する直前に発表された歌であるため、戦時色が強く、「六十のおじいさんですら、村のため、お国のために休む暇なく働いているのだから、君たちも早く立派な人間になって、お国のために尽くしなさい」というメッセージが込められているという人もいる。
戦後2番の後半と3番が、峰田明彦によって改作され、牧歌的でほほえましい渡し船の光景を歌った歌に改められている。(Wikipediaより)
いや、なんとこの歌は「戦時歌謡」だったのですね!
元の2番・3番の歌詞は次のようでした。
2
雨の降る日も岸から岸へ
ぬれて舟漕ぐお爺さん
今日も渡しでお馬が通る
あれは戰地へ行くお馬
それ ぎつちら ぎつちら ぎつちらこ3
村の御用やお國の御用
みんな急ぎの人ばかり
西へ東へ船頭さんは
休む暇なく舟を漕ぐ
それ ぎつちら ぎつちら ぎつちらこ
■ 平均寿命 今昔
歌よりは少し前になりますが、昭和10年(1935)、
その頃の平均寿命は 男46.9歳 女49.6歳
そして、現在は
厚生労働省が2019年7月30日に公表した簡易生命表によると、2018年の日本人の平均寿命は男性81.25歳、女性は87.32歳で過去最高を更新したことがわかった。国際比較で見ると、日本女性の世界ランキングは香港(87.56歳)に続いて第2位、男性は香港(82.17歳)、スイス(81.4歳)に続いて第3位。
今更ながらに、その違いに驚かされます。
ちなみに、私の生まれた昭和30年(1955)では、 男63.60歳、女67.75歳であったとか。
今思うと、保育園に通っていた頃の、私の祖父などは50代後半だったと思いますが、やはり「お爺さん」でしたね。
私も孫が二人(男2歳、女生まれたばかり)いますが、上の孫の眼には、きっと 「お爺さん」と映っていることでしょう。