思い出の中のあの歌この曲

メロディーとともによみがえるあの頃の・・・

♪ 合唱曲「群青」

https://www.youtube.com/watch?v=hwWIBwaXkUs

先日、高校の同級生のLINEグループに、「娘の卒業式に出席して感動した」という内容の投稿がありました。
私も遅かったですが、この投稿者A君の場合は、48歳の時の子どもさんということで、もうお孫さんに近く、可愛くてしかたないのでしょうね(笑)

去年の今頃に投稿しましたが、卒業式の歌も時代の流れにつれて変わってきているようです。
「卒業式ソングランキング30」
 https://www.uta-net.com/user/close_up/graduation2014/

この中に、それほど多くはないのですが、合唱曲「群青」があります。

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パナムジカホームページより https://www.panamusica.co.jp/ja/appeal/gunjo/

作詞:福島県南相馬市立小高中学校平成24年度卒業生(構成:小田美樹)
作曲:福島県南相馬市立小高中学校音楽教諭 小田美樹
編曲:信長貴富

 ああ あの町で生まれ
君と出会い
たくさんの思い抱いて
いっしょに時を過ごしたね

 

今 旅立つ日
見える景色は違っても
遠い場所で 君も同じ空
きっと見上げてるはず

 

「またね」と手を振るけど
明日も会えるのかな
遠ざかる君の笑顔 今でも忘れない

 

あの日見た夕陽 あの日見た花火
いつでも君がいたね
あたりまえが 幸せと知った
自転車をこいで 君と行った海
鮮やかな記憶が
目を閉じれば群青に染まる

 

あれから2年の日が
僕らの中を過ぎて
3月の風に吹かれ 君をいまでも思う

 

響け この歌声
響け 遠くまでも
あの空の彼方へも
大切なすべてに届け

 

涙のあとにも 見上げた夜空に
希望が光っているよ
僕らを待つ群青の町で

 

きっとまた会おう
あの町で会おう
僕らの約束は
消えはしない 群青の絆

 

また 会おう 群青の町で・・・

この歌の成り立ちについては、東日本大震災との関連でよく知られてはいますが、念のために・・・。
 

 福島第一原子力発電所から半径20km圏内に位置する福島県南相馬市小高(おだか)区は、東日本大震災による原発事故のため全住民が今なお避難生活を余儀なくされており、小高中学校も市内の別の学校に間借りをして授業を行っています。「群青」は、その小高中学校の生徒たちが、離ればなれになってしまった仲間を思って、つぶやいたり、書き留めた言葉の数々を同校の小田美樹教諭が綴って曲をつけた作品です。
 2013年3月に行われた復興支援コンサート「Harmony for JAPAN 2013」で同校合唱部によって演奏され、 会場に大きな感動を呼び起こしました。その「群青」が、やはりそのコンサートに居合わせて曲に感銘をうけた作曲家・信長貴富氏の編曲を得て 3種の合唱編曲版となりました。子どもたちのこれ以上ない正直な気持ちと、 彼らを一番近くで見守り共に歩んできた小田先生が作り出した音楽が放つ強いメッセージは、私たちの心に深く突き刺さります。
 どうぞ皆さん歌ってください!ご自分の中にある大切な友やふるさとを思いながら…
 そして「群青の子」らがいつの日か「群青の町」で再会する日を願いながら…。
(パナムジカホームページより)

さて、この曲との出会いですが、数年前の9月に隣の市で開かれた混声合唱フェスティバルという、近隣三つの市の混声合唱団の発表会でした。

主催者の代表が40年来のコーラス仲間のSさんということで聴きに行ったのですが、そこで初めてこの曲を知りました。

30代後半から定年までの間は合唱と縁が切れており、この間に結構知られていたはずですが、私には初めてでした。

大変失礼ながら、もう少し大編成で上手な演奏をとYouTubeでさがして色々聴いているうちに、じわじわとこの曲の素晴らしさがわかってきたような気がしました。

 

これを学年の全員で卒業式で歌うとなると、相当な練習が必要です。コロナ禍以前はどこの中学校でも、時間をかけて練習されていたようですが、今や音楽室から歌声が聞こえてこないという異常事態が2年も続いています。私たちのほぼシルバーコーラス(笑)も同様で、練習休止が2年を過ぎました(;。;)
同級生A君が出席した母校では、録音した音源を流していたということですから、きっと全国的にも同じようなことなのでしょう。

 

有本真紀『卒業式の歴史学』(講談社選書メチエ 2013年)によれば、小学校の卒業式が定型化して、式中に君が代」「蛍の光」「仰げば尊しがセットで歌われるようになったのは、明治30年前後(1890年代後半)ということです。それから120年ぐらいは必ず何らかの式歌を歌ってきたわけですが、ここに来て初めて(100年ほど前のスペイン風邪の時のことは不明ですが)「歌わない卒業式」が続いているのですね!!

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※前回の記事からちょうど一月経ってしまいました。別のブログに忙しくというのが言い訳ですが、少しは暖かくなってきているので、折に触れて思い出した楽曲のことを、またとりとめもなく書いてみたいと思います。