思い出の中のあの歌この曲

メロディーとともによみがえるあの頃の・・・

♪ 「東京ラプソディー」(藤山一郎)

https://www.youtube.com/watch?v=mfB_UAwcXhA

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「東京ラプソディ」
門田ゆたか作詞・古賀政男作曲/昭和11年
1.
花咲き花散る宵も
銀座の柳の下で
待つは君ひとり 君ひとり
逢えば行く ティールーム
楽し都 恋の都
夢のパラダイスよ 花の東京

2.
現(うつ)つに夢見る君の
神田は想い出の街
いまもこの胸に この胸に
ニコライの かねも鳴る
楽し都 恋の都
夢のパラダイスよ 花の東京

3.
明けても暮れても歌う
ジャズの浅草行けば
恋の踊り子の 踊り子の
ほくろさえ 忘られぬ
楽し都 恋の都
夢のパラダイスよ 花の東京

4.
夜更けにひととき寄せて
なまめく新宿駅
あのこはダンサーか ダンサーか
気にかかる あの指輪
楽し都 恋の都
夢のパラダイスよ 花の東京

5.
花咲く都に住んで
変わらぬ誓いを交わす
変わる東京の 屋根の下
咲く花も 赤い薔薇
楽し都 恋の都
夢のパラダイスよ 花の東京

 

 

 平日の昼食時には、毎日のようにラジオでNHKのニュースの後、「昼のいこい」を聴いています。
 先日、藤山一郎さんの「東京ラプソディ」がかかっていました。
 ふと思い出したのは、4年前に所属する混声合唱団(コロナ禍で一年あまり活動を休止中)の定期演奏会でこの曲を歌ったことでした。
 改めて、歌詞を見ると1番2番は何と言うこともないのですが、3番では「恋の踊り子の」という文句がちょっと気になります。
 そして、一番気になるのが4番です。
 「夜更けにひととき寄せて なまめく新宿駅の~」という一節。
 「ひととき寄せる?」何を寄せるのでしょうか?
 「なまめく新宿駅?」
 その昔、地下鉄ネタで知られた東京漫才の三球照代さんのセリフではありませんが、考えれば考えるほど夜も寝られない(笑)

 こういう用語に意味的な飛躍がある(?)独特の歌詞は、あの西条八十さんかなと思って調べると、違っていましたが、作詞の角田さんは、西条さんの直弟子でした。
やっぱり、師の薫陶の成果でしょうか?

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門田 ゆたか(かどたゆたか、1907年(明治40年)1月6日-1975年(昭和50年)6月25日)は昭和期の作詞家。本名門田穣。
経歴
福島県信夫郡福島町(現・福島市)出身。早稲田大学文学部仏蘭西文学科中退。
西條八十に師事、後に作詞家となり、1933年(昭和8年)、ビクターレコードより「東京祭」でデビュー。 1936年(昭和11年)、藤山一郎の「東京ラプソディ」が大ヒット。 その他の代表作には、灰田勝彦・大谷冽子「ジャバのマンゴ売り」、岡晴夫「東京の花売娘」(佐々詩生名義)、藤山一郎「ニコライの鐘」、美空ひばり「私のボーイフレンド」、「ひばりが唄えば」、コロムビア・ローズ「プリンセス・ワルツ」、「ロマンスガイド」などを作詞。
ハワイアンを多数作詞したことでも有名で、「小さな竹の橋で」、「月の夜は」、「林檎の木の下で」などを作詞。(Wikipedia

  yahoo知恵袋では1件質問がありましたが、回答も1件であまりに馬鹿馬鹿しいので転載はやめておきます。

はてなブログ 日本百名曲20世紀編」(https://songs20thcentury.hateblo.jp/entry/2016/03/26/011049)にあった次のような解釈が無難なところでしょうか。

「夜ふけにひと時寄せて なまめく新宿駅

深夜にちょっと立ち寄った 夜の顔を見せる新宿駅
今も昔も新宿の夜はなまめかしい。

 【参考】なま‐め・く【▽艶めく】 の解説
[動カ五(四)]《「なま」は未熟の意》
1 異性の心を誘うような色っぽさが感じられる。また、あだっぽいふるまいをする。「―・いたしぐさ」
「このくるまを女車とみて、寄り来てとかく―・くあひだに」〈伊勢・三九〉
2 若々しく美しく見える。清新である。
「その里に、いと―・いたる女はらから住みけり」〈伊勢・一〉
3 しっとりとして、品がある。優美である。
「高麗 (こま) の紙の…色などは華やかならで―・きたるに」〈源・梅枝〉
4 物や情景などが、美しく趣がある。風流である。
「秋の野のいと―・きたるなど見給ひて」〈源・賢木〉
出典:デジタル大辞泉小学館

 

 歌詞もさることながら、昭和11年(1936)といえば、あの二二六事件のあった年で、殺伐とした世相からいうと、こういう明るい歌が大ヒットしたのが、ちょっと不思議ですね。

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