思い出の中のあの歌この曲

メロディーとともによみがえるあの頃の・・・

♪ 「雨の来る前」(多田武彦 男声合唱組曲「雨」よりⅠ)

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(京都産業大学グリークラブ)

 

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「雨の来る前」
伊藤整作詞 多田武彦作曲

 

ざあっとやって来いよ 夏の雨
地上のすべてのものは用意している。

山の麓から低くかぶさってしまった雲よ。
夏の緑はうす暗い蔭におおわれ
物ほしに白いものがかかり
燕は黒く曇天の下を飛び交い
人は重い頭をして室にいる。

降って来いよ 夏の夕立
その時 始めて人の目はほっと開かれ
草木も葉を そよがせるのだ

ざあっとやって来いよ 夏の雨

 

前回「海の日」にちなんで、「われは海の子」をアップしてから半月あまり。
今度は「山の日」がやってきました。

長い梅雨が明けたと思ったら、今度は連日の猛暑!十日あまり、一滴の雨も降りません。
たっぷりと余裕のあったため池の用水も、係としては減り具合が気になる今日この頃です。
そんな日々の中で思い出されるのが、タダタケさんの名曲「雨」。
5ヶ月前の3月8日にも、組曲の中のⅥ「雨」(八木重吉を取り上げていますので、これで2回目となります。

 

言うまでもなく、組曲中のどの曲にもそれぞれの良さや味わいがあるので、甲乙つけがたいのですが、降雨が待ち望まれる今の時季にはこの曲がピッタリです。

(「燕」が読み込まれているので、もう少し早い時季かもしれませんが・・・・)

 

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作詞の伊藤整については、「若い詩人の肖像」という小説が彼の自伝的作品ということで、興味深く読んだことがあります。
この詩は、氏が小樽高等商業学校(現在の小樽商科大学)を卒業してすぐの21歳の時、小樽市立中学に英語教師として勤め始めた頃の作品だそうです。
そういえば、なんとなく若々しい感じをたたえていますが、北海道で生まれた詩だというのは、正直意外な感じがします。

 

異常気象がいわれ続けて久しいですが、自然が相手の農家にとって、この雨というのはもちろん天の恵みなのですが、一方で近年毎年のようにとんでもない大水害を引き起こす、なんとも厄介な自然現象です。