思い出の中のあの歌この曲

メロディーとともによみがえるあの頃の・・・

♪ 夕焼け小焼けの~ 「赤とんぼ」その1

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「赤とんぼ」 

作詞:三木露風 作曲:山田耕筰

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(「山田耕作童謡百曲集. 2」より、国立国会図書館デジタルコレクション)

 

夕焼小焼の 赤とんぼ
負われて見たのは いつの日か

 

山の畑の 桑の実を
小籠(こかご)に摘んだは まぼろし

 

十五で姐や(ねえや)は 嫁に行き
お里のたよりも 絶えはてた

 

夕焼小焼の 赤とんぼ
とまっているよ 竿の先

 

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三木露風    1889-1964 明治-昭和時代の詩人。
明治22年6月23日生まれ。42年第2詩集「廃園」でみとめられ,北原白秋とともに「白露」と併称される。大正2年「白き手の猟人(かりゅうど)」により象徴主義の詩風を確立。のちカトリック信仰にはいり,宗教詩にむかった。童謡「赤とんぼ」の作詞でも著名。昭和39年12月29日死去。75歳。兵庫県出身。慶応義塾中退。本名は操。
  (デジタル版 日本人名大辞典+Plus)

 

■ 「防災行政無線チャイム」のメロディーとして

 

地方でも今は少なくなりつつあるのではないかと思いますが、時報チャイムと地区内の放送の設備として、公民館などに大きなスピーカーが設置してあったものです。
(行政用語では「屋外拡声子局」というそうです)

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(私の住む市では昭和の昔は有線放送、今は家の中に設置した受信機から放送が流れるようになっています。また、登録しておくとメール配信も行われています)

 

そのスピーカーから定時に流れるメロディーには、それぞれの地元に特有のものがあるようです。
今回取り上げた「赤とんぼ」兵庫県たつの市(元は龍野市。合併で市域が広がっているので、全域かどうかは不明ですが)で毎日3回(7時、17時、22時)流されています。


家内が当地の出身で、子どもたちが小学生ぐらいの頃までは、正月やお盆には必ず親子4人で帰省して泊めてもらっていたものですから、このメロディーが今でも懐かしく思い出されます。

 

よく知られているように、たつの市はこの「赤とんぼ」を作詩した三木露風の生誕地です。

三木露風1921年(大正10年)に、故郷である兵庫県揖保郡龍野町(現在のたつの市)で過ごした子供の頃の郷愁から作ったといわれ、同年8月に『樫の実』に最初に発表した。その後、12月に童謡集『真珠島』で一部修正する。この詩に、1927年(昭和2年)、山田耕筰が曲をつけた。たつの市の童謡の小径に記念碑がある。(Wikipedia

 

そうしたことから、昭和59年(1984年)10月7日に「童謡の里宣言」を行い、「日本童謡まつり事業」として童謡の里づくり」を進めています。

旧市街地などはあちこちで(マンホールの蓋や水の蓋にまで)赤とんぼがあしらわれています。

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■ ご当地メロディーのいろいろ

 

全国各地にはご当地チャイムとでも言うべき様々なメロディーがあるようです。

夕方になると「夕焼け小焼け」「ふるさと」などが流れて、つい帰りたくなる…そんな想いにかられた人もいるでしょう。
そんな防災行政無線チャイム。
実は「夕焼け小焼け」や「ふるさと」だけでなく、全国にはユニークなチャイムを使用している市町村がありました。
福島県須賀川市」では、円谷プロダクションの「円谷英二」さんの出身地ということで、「ウルトラセブンの歌」。
「千葉県館山市」では、「X JAPAN」のリーダーYOSHIKIさんの出身地ということで、「Forever Love」がそれぞれ採用されている。
さらに「静岡県浜松市春野町」では、宝塚の演出家「白井鐵造」さんの出身地ということで、朝7時、正午、夜9時に、「宝塚歌劇団」の名曲 「すみれの花咲く頃」が流れる。
ちなみに、春野町には「白井鐵造記念館」があり、宝塚ファンにとって“聖地”だそうだ。
「福岡県田川郡糸田町」では、井上陽水さんの出身地ということで、夕方5時に井上陽水さんの「夢の中へ」が流れている。
さらに、糸田町では3ヶ月ごとに、曲を変えており
6月~8月は「夢の中へ」、9月~11月は「帰れない二人」、12月~2月は「いっそセレナーデ」、3月~5月は「新しいラプソディー」を採用しているそうだ。
このような有名人のゆかりの地の防災行政無線チャイムは、その有名人にまつわる楽曲を採用しているが、一方で、たとえゆかりがなくても楽曲を採用している市町村も。
岐阜県山県市 美山地域」では、「松田聖子」の「スウィート・メモリーズ」。
「石川県能美郡川北町」では「ザ・ビートルズ」の 「イエスタデイ」
さらに「石川県羽咋郡志賀町」では「サザエさん」「ドラえもんの歌」という国民的アニメを採用していた。
ゲストのやくみつる氏は、「サザエさんは(長谷川町子美術館のある)桜新町にも流れていないのに…」と驚いた様子。
特にゆかりのある土地ではなくても、人気の楽曲や当時の担当者によって採用される曲が変わる傾向にあるようだ。

 2019.07.30
「ユニーク過ぎる!全国の「防災行政無線チャイム」 XJAPANに井上陽水や宝塚の名曲も 」(「ニッポン放送番組ブログ」

 

定年まで勤めた学校があった西脇市では(これは学校のあった地区だけなのか、市内全域なのか不明ですが)正午と17時にウェルナーの「野ばら」が流れていました。

夏場は、爽やかなみどりの風とともにこの音楽が教室の窓から流れ込んでくる、そんなのんびりした授業風景が懐かしく思い出されます。

 

YouTubeで検索してみると、各地の防災行政無線のメロディーを集めているマニア(?)の方がいるのに、ちょっと驚かされました。

※※次回は「赤とんぼ」の歌詞について書いてみたいと思っています。