作詞:八木重吉作詞 作曲:多田武彦
演奏:関西学院グリークラブ
日時:1995年1月15日 場所:昭和女子大学人見記念講堂
雨の音がきこえる
雨が降っていたのだ
あのおとのようにそっと世のためにはたらいていよう
雨があがるようにしずかに死んでいこう
1月、2月は割に雨の日は少ないものと思っていましたが、今年はよく降りました。
その上に暖冬と来ていますから、あぜ道には早くも西洋タンポポが見られますし、田んぼの雑草は例年よりも伸びが早く、遠目には一面が緑に覆われた田んぼもあります。
雨を歌った曲は、古今東西あまたあるものと思いますが、ふと思い出したのが上の曲でした。
言うまでもなく、男声合唱の定番名曲です。
古い本棚を探していると、「関西学院グリークラブの第49回リサイタル」のパンフレットが出てきました。
1981年(昭和56年)1月24日、神戸文化ホールでの公演。
40年近い昔で、私が伊丹混声合唱団でコーラスを始めてまだ3年目の冬でした。
この曲は何といってもトップテナーのソロ部分が聴きどころです。歌い手は相当な緊張が強いられるところです。
YouTubeにはいろんな大学グリークラブの演奏がアップされていますが、どうしても評価はこのソロ部分で決まってしまうように思います。
その頃は一応テナーパートに所属していたのですが、高校や大学でやってきた人のように基礎が出来ていないので、上手な団体の演奏を聴いて勉強しようと思って出かけたのではないでしょうか。
蛇足ではありますが、八木重吉のわずか4行の詩もストイックで純粋なところが何とも言えず、やはりこの組曲の終曲にふさわしいですね。
[生]1898.2.9. 東京,町田
[没]1927.10.26. 町田
詩人。 1921年東京高等師範学校卒業。在学中キリスト教に入信,英語教師となってから詩作を始め,詩集『秋の瞳』 (1925) を刊行。草野心平に認められたが,病弱のため夭折した。没後刊行の『貧しき信徒』 (28) ,『定本八木重吉詩集』 (58) などにより,次第にその評価が高まった。出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典