思い出の中のあの歌この曲

メロディーとともによみがえるあの頃の・・・

映画「男はつらいよ」の音楽 その2(劇中音楽)

 

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「さくらのテーマ~歌子のテーマ」のメロディ!

 

■ 直純さんの劇伴音楽のすばらしさ  
主題歌は言うまでもないのですが、忘れていけないのは劇中の音楽です。

特に、このシリーズでは各回に登場する(浅丘ルリ子さんや竹下景子さんなどは繰り返し出てきます)マドンナそれぞれにテーマ曲があるのが特徴です。
作曲者は山本直純(やまもと なおずみ、1932年12月16日 - 2002年6月18日、東京都出身の作曲家、指揮者)さんです。

主な作品 (クラシックを除く)
 〇映画

 霧笛が俺を呼んでいる (1960年) 肉体の門 (1964年)
 雪国 (1965年) 兵隊やくざ(1965年)
 男はつらいよシリーズ (1969 - 1995年)
 二百三高地 (1980年) ビルマの竪琴(1985年)

 〇テレビドラマ

 大河ドラマNHK
 風と雲と虹と (1976年) 武田信玄 (1988年)

 〇 童謡など
 一年生になったら 歌えバンバン さあ太陽を呼んでこい

※これらはごく一部で、とても1回では紹介しきれません。

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ずいぶんと昔ですが、森永エールチョコレートのCM(1968年)が印象深いですね。

「大きいことはいいことだ」というキャッチコピーも、当時流行りました。

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どうしても、この年代の作曲家というと、(好みはいろいろあるでしょうが)すぐに、

芥川也寸志黛敏郎團伊玖磨(「三人の会」を結成)というお名前がまず頭に浮かぶことでしょう。

直純さんの場合、そのキャラクターからでしょうか、正当な評価をされているとはいい難い面があるようです。(なにしろ、この世界は権威主義的なところがあるようですから)

 

そんな直純さんを「埋もれた天才」として取り上げた本が近年出版されています。

書評の一部とともに紹介しておきたいと思います。

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山本直純小澤征爾 朝日新書
柴田 克彦   定価:858円 発売日:2017年9月13日

天才は天才を知る!二人の音楽家の深い友情
[レビュアー] 碓井広義(上智大学文学部新聞学科教授)
 柴田克彦著『山本直純小澤征爾』の序には、『オーケストラがやって来た』のプロデューサー、萩元晴彦の名言が記されている「直純は音楽を大衆化し、小澤は大衆を音楽化した」。
 2人とも「サイトウ・キネン・オーケストラ」に名を残す齋藤秀雄の門下生だ。一見対照的な彼らは修業時代から深い友情で結ばれ、互いに尊敬しあっていた。著者は、世界のオザワに「本当に直純さんにはかなわない」と言わせた音楽家にスポットを当てていく。
 若い頃から指揮者として、また作曲家として活躍していた山本だが、顔と名前が広く知られるようになるのは1968年、チョコレートのCMがきっかけだ。気球に乗り、真っ赤なジャケットで指揮をする姿には、「大きいことは、いいことだ!」というCMソング以上のインパクトがあった。
 驚くべきは山本が手がけた仕事量と質の高さだ。指揮者の仕事と同時並行で、『男はつらいよ』などの映画音楽、『8時だョ!全員集合』をはじめとするテレビ番組のテーマ曲を作り、『オケ来た』にも出演。しかし、その過剰なほど幅広い活動ゆえに、クラシック界ではどこか異端視されていたと著者は言う。
 山本が69歳で亡くなったのは、小澤との出会いから約半世紀後の2002年6月だ。若き日の山本は小澤にこう言った。「オレはその底辺を広げる仕事をするから、お前はヨーロッパへ行って頂点を目指せ」と。2人の天才は、まさにそれを実践したのである。

“音楽を大衆化”した山本直純、“大衆を音楽化”した小澤征爾 | レビュー | Book Bang -ブックバン-

 

書きながら、「三人の会」のおひとり、黛敏郎さんの「題名のない音楽会」を高校生の頃、よく観ていたなあと思い出しました。

面白かったけど、今思うとちょっとマニアックなところもありましたね(笑)

と言いながら、YouTubeで観てしまうわたしです。